2023年5月8日月曜日

ジャズ・ミュージシャン3つの願い ニカ夫人の撮ったジャズ・ジャイアンツ (P‐Vine BOOKs) 単行本

               2009/12/18 パノニカ・ドゥ・コーニグズウォーター (著) ゲーリー・ギディンズ(序文) (著), 鈴木孝弥 (翻訳) 300人のジャズ・ミュージシャンにかたっぱしから三つの願いを聞く。 文章の量はたいしたものではないが、ニカ夫人が撮った大量の写真がみられる。 ニカ夫人については一冊の本が出版されているほどの人生を持った人である。 ユダヤ系のイギリス人貴族。あるときセロニアス・モンクのラウンド・ミッドナイトを聴いて感銘し、パリに来ることがわかってイギリスからコンサートを聴きに渡仏。本人に会ってすかっりファンになってしまったが、アメリカにおけるジャズ・ミュージシャンの地位・生活を知ってニューヨークに渡り彼らの支援を行うようになった。 二度のホテル生活(チャーリー・パーカーはクスリとアルコールで若くして彼女の部屋で亡くなった)を経て苦情のでない一軒家をマンハッタンを一望できるニュージャージーに購入、24時間利用可能のスタジオを用意した。そこで行われたセッション、リハーサルの録音テープがかなりの量あるがいまだ公にされていない。 (ユージン・スミスのロフトで録音されたテープとともに、ジャズ史に残る貴重な資料であるあるはずである) T.モンクは彼女の家に移り住み、亡くなるまで過ごした。彼の死を看取ったB.ハリスはニカ夫人が亡くなった後もこのウオーケンのニカ邸に住んでいたらしい。B.Hも最近亡くなっが、モンクやニカ夫人の曲をアルバムに残している。 この願いで、良く語られる言葉は愛、幸福、平和である。カネや女はほとんど出てこないが演奏・労働にに見合った収入を得て家族を幸福にしたいということはかなり共通である。そしてクスリやアルコールにおぼれたジャズ・ミュージシャンという悪い評判を払拭したいというのも多い。そのため彼らはいつもスーツにネクタイ姿であった。 クスリに溺れる原因は過酷な労働条件で、朝方まで演奏し翌日は離れた地方までの移動は日常であったらしい。 先日L.Aエンジェルスが17連戦、移動距離10万km以上とか。そんなことはメジャー・リーグでは日常で普段は一ヶ月に一度くらいの休日らしい。 ジャズ最盛期のミュージシャンの生活をうかがい知ることもできる。

1 件のコメント:

fkdrums さんのコメント...

何人かのミュージシャンがT.モンクと演奏したいという人が居て、彼らのうちではやはり特別な存在であったらしい。
以外なのは、ドラマーのA.ブレーキーと共演したいといミュージシャンがいたことである。彼はうるさがられていると思っていた。先日亡くなったウエイン・ショーターはM.デビスのグループに移って静かに?演奏ができるようになったらしい。Z.メッセンジャーではまずドカーンとドラムがなって落ち着けないとか。

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