2022年2月13日日曜日

T.Monk, M.Davis, J.Coltrane

 はじめてジャズにはまったきっかけは、近所に住んでいた故阿原道正さんが貸してくれたキャピトル・スタジオ録音盤の「ベニーグッドマン物語」である。このレコードを気に入って同じ盤を手に入れて何度も聴いた。とはいえ、他にはスイングジャズのレコードは買わなかったし、他は寺元隆さんが貸してくれた「SUNDAY JAZZ COBCERT」鈴木彰治とリズムエースのみ。高校生になってからであるが、映画「サッチモ大使」を見てルイアームストロングの10インチLPを買ったが、ニューオリンズ・ジャズもこれ一枚のみ。映画「JAZZ ON A SUMMER'S DAY」を見てからは、モダンジャズ、T.Monk一辺倒。

それからはレコード店を見つけると、ジャズコーナーにモンクのバーゲン・レコードをあさりに行っていた。そのころマイルス・デビスやMJQが人気であったが、 ラジオやジャズ喫茶で聴くのみ。M.Dのレコードを初めて買ったのは「Round Midnight」。そのころのM.Dは陰気くさくて好きになれなかった。このレコードも2,3回聴いて近くに住んでいた木崎君と他のレコードと交換してしまった。M.Dを聴くようになったのは、リズムセクションにハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウイリアムスが加わってからである。J.Cにいったては大学生になってからのことでマッコイ・タイナー、ジミー・ギャリソン、エンビン・ジョーンズらが加わったメンバーのものでインパルス・レコードが主である。きっかけは、当時京都外国語大学の学生でありながら、もうプロとしてナイトクラブに自分のグループを率いて出演していた竹越君がメンバーのTsxプレィヤーがあまり他のミュージシャンの音楽を聴いていない、という指摘を聞いて今まで聴いていなかったミュージシャンを聴いてみようと思い初めて手に入れたのが、インパルス「JOHN COLTRANE QUARTET」。これが”当たり”だった。ここにはポップな曲は収録されてはいないが、後に「JOHN COLTRANE QUARTET PLAYS」や「SELFLESSNESS」も楽しんだ。 ジャズ喫茶やラジオで聴いたなじみのレコードも後に何枚か買ったが、何度かの引っ越しで処分、現在の住居でも一度ほとんどのもを処分して以前買えなかったレコードを手に入れたが、あまり楽しめていない。近々処分の積もりである。「セロニアス・モンク 独創のジャズ物語」の訳者小田中 裕次さんのブログをみて、主にモンク死後モンク作曲の曲を演奏しているレコードをかなり聴いてみたが、まだその中から三人以外の好きなミュージシャンが見つからないが、チック・コリアやキース・ジャレットが無難かと思っているが、世代的には私と同じでもっと若いミュージシャンが見つからないかと考えている。

さて主に上の三人のレコードコレクションをしていたのですが、これらのミュージシャンのレコードを買うときには何も確認をしないで、持ち帰って針を下ろすのが楽しみでした。というのは、中身?を確認しなくても期待が外れることがなかった。モンクは往年マンネリと言われてはいたが、私は楽しんでいた。ただ、他のミュージシャンのレコードであれば”あの曲が入ったレコード”でだいたいわかったのですが、モンクのレコードは同じ曲が何度も録音収録されていてそれではわからない。が、それでもどれを買っても”スカ”がない。コードの理論がわかっていれば、もっと深い楽しみ方があったと思うが。彼らの音楽活動は、発展的な直線上にあったと感じるので、変化があってもそれは理解ができる。M.Dが電気楽器を使うようになったときも、突然ではなく連続的な線上にあったと思っている。ただ、チック・コリアが加わったロスト・クインテットがフリー・ジャズに向かいかけたのはあまり好きではありませんでしたがすぐ修正されたように思う。ただ、学生時代に電気楽器を経験していたし子供の頃から電気は好きだったので、アレルギーはなかった。J.Cが神がかったフリーに向かったのは好きになれず、M.T、J.G、E.Jのカルテット以後はほとんど聴いていない。ブレのない発展的な課程がある音楽活動は芸術家としての基本的姿勢と思う。彼らをアーティスト、またはポップ・アーティストと呼べると思う。

ジャズ・ミュージシャンでありながらヒット曲を持っている人がいるが、流行歌をねらうようではアーティストにはなれない。M.Dが電気楽器を使うようになって今までのファンには良く思われなかったようであるが、聴かれなくなった音楽ではなくて若者が聴ける新しい音楽を作り出したと思う。自然発生的にに生まれてきた黒人音楽に、初めて意図的に創り出された音楽ができたわけである。J.Cはマイフェイボリット・シングをジャズ曲としてヒットさせたが初期からアバンギャルドまでの演奏を聴いてみると、彼の意図ががわかるような気がする。

私のコレクションの中にはあまりヒット曲はないが、聴く方の態度としても良ったと思っている。芸術家としての彼らを尊敬する。

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